関悦史 - うるはしき日々 (携帯用)

(PC用はこちら)


関悦史氏の2011年3月11日から4月11日までの一ヶ月間のツイートとリツイートから、句集「六十億本の回転する曲がつた棒」のうち、Ⅸ章「うるはしき日々」冒頭2ページと少しの句に関連するものを拾いました。

関悦史氏は茨城県在住。東京の東、福島の南で、震災直後より報道や中央政治の目にほぼ留まらなかった被災エリアの一つです。うるはしき日々の章は、ここに挙げた句の後も続いています。


内容は氏の句群ともども、当時の状況を呼び覚ましてしまう場合がありますので、閲覧の際は気をつけてください。

2012年4月2日 佐間央太



Ⅸ うるはしき日々

P114

供犠となるこの地に万の寒鴉のこゑ

春の土にドガガガガガと云はれけり

烈震の梅の木摑みともに躍る
(烈震の梅の木掴みともに躍る)


よその布団によその闇ごと揺れ轟く

春星幽か大渋滞はどこへ向かふ

信号灯らぬ大暗黒へ放尿す

家壊しつ春三日月の上がりくる

瓦失せし所が黒し春の月

P115

屋根屋根が土が痛がる春の月

墓石ら回り倒れや春彼岸

停電なれば井戸水も出ぬ揚雲雀

現金封筒その他つかみ出す春の堀炬燵

隣県に原子炉が爆ぜ黒ずむ東風

日本を潰し日本に汚れ春の海

原発燃えつつ和合氏詩を流しゐる春寒

福島の子供の習字「げんし力」

P116

段ボールからマスクや魚肉ソーセージや

四五日一人チョコレート食う地震また地震

春雨を合羽の四ッ谷龍帰る

救援物資の箱らに自死を禁じらる

教師ら誘導に立ち給水所暮れかぬる

ペットボトルに春水三本満たし帰る

無人の街の鼻血止まらぬ男かな

被曝しあつて男の撮りし犬の顔

P117

「民」は刃を目に入れし奴婢山笑ふ

激震中ラジオが「明日は暖か」と

数百度目の余震やみ大き隙間風

わが家なりし瓦礫積みあり春驟雨

永き日の家のかけらを掃きにけり

ブルーシートも土囊も足りぬ春夕立
(ブルーシートも土嚢も足りぬ春夕立)


鮮しき地割れに赤き落椿

ファミリーマートへぬくき地割れを幾つか越す

P118

「母子手帳持参の方、水お領けします」

P121

Eカップとわれも名乗らん春の地震


4月1日のツイート(2012年)


以上

特報!!
 2017年 春
 第二句集『花咲く機械状独身者たちの活造り』(港の人
 評論集『俳句という他界』(邑書林
 御出版!!

2012年 第三回 田中裕明賞受賞!!

※句集「六十億本の回転する曲がつた棒」の購入は 邑書林のページ へどうぞ。

なお、こちらにツイートが掲載されている方で何か不都合がございましたら、些細なことでも構いませんので、 ot@ameyu.net までご連絡下さいませ。